そもそも野球肘とは?

野球肘は名前の通り、野球の投球動作時に痛みを伴い、酷くなると何もしていない時にも痛みを感じます。 特に小学生や中学生などの成長期の子供さんに多く見られる症状です。

 

子供さん自身の持っている筋力以上に

負荷がかかった場合(球数を投げすぎた場合)、 投球フォームが悪い場合、姿勢不良で筋肉や骨格のバランスが崩れている場合に発症しやすくなります。また試合や練習前後のウォーミングアップやクールダウン、体操やストレッチ などを怠ると疲労が蓄積 され、筋肉が縮んで硬くなり100%の収縮運動が 出来なくなると、その事が 原因で痛みに繋がる事もあります。主にボールを投げる側の肘の内側、外側、後方に投球動作の何処かで 痛みを感じます。 (痛みを感じるのはリリース時やフォロースルー時など人それぞれです。)

 

野球肘の痛み

手のひらと肘の間の前腕には橈骨、尺骨という2本の骨があります、この2本の骨と肩と肘の間の上腕骨が組み合わされる関節を肘関節といいます。この肘関節を跨いで橈骨、尺骨~上腕骨に筋肉が付着して

います。この部分が投球動作によって繰り返しストレスが加わる事によって痛みを発症します。

肘の内側の痛み(図A)

投球動作時(コッキング期)に肘の内側部分に強い牽引力が加わり、ここに付着している筋肉が思いっきり引っ張られます。その筋肉は上腕骨(肩と肘の間の骨)の上腕骨内側上顆という所に付着していますが成長期の子供

さんの場合、この部分がまだ柔らかいのでこの部分に繋がっている筋肉に

牽引力が加わり強く引っ張られると、上腕骨内側上顆の先端部分がはがれてしまい、剥離骨折のような

状態になり最悪の場合は骨の成長が止まってしまいます。

 

肘の外側の痛み(図B)

上腕骨小頭橈骨頭

ぶつかり軟骨の壊死、遊離体などの離断性骨軟骨 を発症します。症状が悪化すると骨の欠片が関節の中を動き回る為、痛みを伴います。  通称“関節ネズミ”と言われます。

 

肘の後方の痛み(図C)

投球時のフォロースルー期に肘が伸ばされ尺骨肘頭に牽引力が加わって引き離され剥離や

疲労骨折を起こす事があります。また肘が伸びる時に上腕骨と尺骨がぶつかり、

骨が欠けて痛みを発症する事もあります。

コッキング期…図の左から3、4番目の状態。

 フォロースルー期…図の右端の状態。

 

※肘だけではなく腕全体がしびれたり、痛みが激しい時、見るからに腫れている時などは剥離骨折や疲労骨折をしている事もあります。この場合は整形外科に行き

レントゲンなどで骨や軟骨などに異常がないか受診して

下さい。

野球肘の施術

①トラストでは野球肘撲滅に向かって積極的に取り組んでおります。

施術の流れとしては、最初に問診で詳しく痛みの場所や投球時の

どこで痛みが出るなど、痛みについてお聞きします。

その流れで筋力テストや関節可動域テストを行い、肘の状態を調べます。

 

②投球フォームチェックを行います。

肘を痛めている子供さんの殆どが身体に負担がかかる投げ方でボールを投げています。

下半身の使い方(足首、膝、股関節)が悪い、体重移動を含めて下半身と上半身が連動していない、肩甲骨や肘を上手に使えていない、身体の柔軟性がない、筋肉の使い方(力の入れ方)を間違っている、など様々な原因がありますので、何処が悪いのかをこのフォーム

チェックで見ていきます。

(子供さんの投球時の写真やビデオなどがあれば是非、持参下さい。)

 

③肘を含めた身体の施術を行います。

ここでの施術は全身に対して行っていきます。「肘に痛みがあるのに他の所を触られても」と言われる人もいますが、筋肉の付着部分や連動性の関係で肘ではない所に問題がある方も多く、骨格のズレが原因という事も多いので全身を行います。

 

④ご自宅で行うストレッチやトレーニングなどをお伝えします。

先の投球フォームチェックなどは野球の技術の事よりも、身体の構造を理解し、より負担のかからない投げ方を取り入れてもらう為に!ストレッチやトレーニングは野球肘にならない様にご自身でケアを含めたご自宅で行う“野球肘予防法”になります。

 

②や④につきましては「監督やコーチに聞かなくてもいいでしょうか?」と、殆どのお父さん、

お母さんが言われます。確かにご自身の子供さんだけ何か特別な事をしている感覚を

お持ちになるかもしれませんね。でも大丈夫です!これは野球肘を防ぐ為に行う事なので

何も特別な事をしている訳ではありません、言わば当たり前の事を行っているだけなのです!

トラストでは野球の技術を教えるのではありません!野球の技術に関しては今まで通り、

所属チームの指導者に習って下さい!それでも不安のある方は所属チームの指導者にトラストで行った事を伝えて下さい。野球経験のある指導者の方であれば必ず理解して頂けます。

 

野球肘の予防

最近、小学生、中学生を中心に特に多いです。どうすれば野球肘が防げるのか?

野球肘は普段の練習や私生活でも予防する事が出来ます。

よく治療院などで投げ方の問題よりも「身体のバランスが悪いから痛みがでる」や「骨盤や背骨のズレがあるからそれが原因で野球肘になる」とか言われますがこれは本当です。

何で肘が痛いのに骨盤が関係するの?とよく聞かれますが

様々な理由があるのですが、その内の1つに皆さんがよく背中の筋肉を背筋と言われますが、その背中の筋肉の中に広背筋という筋肉があります。

(右図の赤い筋肉が広背筋)

この筋肉は骨盤の上部、背骨の真ん中あたりに付着し(図の赤色部分)、上腕部分(肘と肩の間)の前面に向かって付いています。

(小さな四角い図の赤色部分)

 

これが骨盤や背骨のズレなどで広背筋が引っ張られたりすると、付着部分の関係で腕の方にも影響が出てそれが原因で痛みを発症する事もあります。 なので骨盤や背骨のズレを矯正して、筋肉の状態も正常にしておかないといけません。

でも骨盤や背骨のズレが矯正されても投げ方が悪ければ痛みを発症します。

野球経験のあるお父さんは投げ方を見て、何処が悪いというのがある程度

わかると思いますが、野球経験のないお父さんやお母さんはどうしたらいいんだろう?

となりますので、今からご紹介する野球の技術とは関係ない部分で、野球肘を

予防する為に行う最低限のチェックポイント4」 をご自宅で行ってみて下さい。

 

①子供さんとの会話

②日常生活での姿勢

③ストレッチ

④肘の可動域、筋力のチェック

 

 

  ①子供さんとの会話

これは野球肘に限った事ではありません!子供さんの疲労状態を知る為に絶対に

必要です! よく「なぜ会話が?」と言われますが、この会話が意外と役に立ちます。

 

例えば昼の1時から練習が始まり、夕方5時に終了したとします。 子供さんが帰って来た時に

「今日は1日中守備練習やった」と言ったとします これを聞いてどう思いますか?

お母さん達は「疲れた?よく頑張ったね」という声をかけるのが多いかな!?

子供さんにとって疲れた時の褒め言葉ほど嬉しいものはないでしょう!

しかしこの言葉を聞いた時に「ちょっと待てよ?」と思ってほしいのです。

 

ボールを捕るだけの練習なのか?ボールを捕って投げるまでの練習なのか? もし投げる動作を含んでいる練習であれば、1時~5時までの練習で、アップや ダウン、休憩を除けば3時間くらいはボールを投げているはずです。 動きがある中でボールを投げる時もあれば、動きが止まって踏ん張って投げる時もあるでしょう、外野手のように遠い距離を投げる事もあるでしょう、球数で

いくと100球以上は軽く投げているはずです、ノックの上手な人ならば200球を超えるかも

しれません。しかもバッテリー間よりも長い距離での100球です。

 

WBCなどのプロ野球の国際大会でも球数制限がされる中で、成長期の小、中学生が

この球数を投げると、筋肉痛やハリ、ダルさなどが出て当たり前です。

これを会話の中から上手く聞き出し、「今日はちょっと無理してるな…」と感じたら練習後のダウンだけじゃなく、自宅でもアイシングやストレッチを行うなどケアを していきましょう。

冬場の練習で「今日はずっとランニング」と子供さんが言えば、「何kmぐらい走ったの?」「球場を走ったの?アスファルトを走ったの?」という事を聞いてみて下さい。

勿論、土の上を走るよりアスファルトの上を走る方が足腰に負担がかかります。

こういう事をご家族の方に感じ取ってほしいのです。

「無理してる?」「疲労が溜まってきてるね」という事をお父さん、お母さんが

一番に察知して下さい!それが故障を防ぐ為の第一歩です。

 

※これは所属チームの練習方法を批判しているのではありません。

 

②日常生活での姿勢

過去の野球肘(お父さん達が子供の頃)と今の野球肘では完全に傾向が変わってきています。昔の野球肘はピッチャーをやっている選手の投げすぎが原因で肘に痛みを発症するというパターンが圧倒的に多かったのですが、現在では内野しか守らない又は外野しか守らない、ピッチャーほど球数を投げない子供達でも肘を痛めてしまうという事が非常に多くなっています。

 

よくお父さんやお母さんから何が原因?と聞かれます、「昔と違って骨が弱い?」

「成長期だから?」「投球フォームが悪い?」「投げすぎ?」「筋肉が弱い?」など

その他いろいろ…これは全部正解です。

でも、これ以上に今一番厄介なのは子供達の姿勢不良、俗に言う“猫背”が原因で身体の

あちこちに負担をかけているという事です!

姿勢不良になると、子供さんの持っている筋肉(筋力)を100%発揮出来なくなり、

100%発揮出来ないという事は骨格を正しい状態に保てないという事になります。

 

最初に出てきた広背筋の図をもう一度見て下さい。猫背になると骨盤が後屈します、するとどうなるか?骨盤に付着している広背筋も勿論、足の方向(下方)に引っ張られます、するともう一方の付着部分、上腕部分(四角い図)も引っ張られ正しい状態を保てなくなります。この状態が続き、猫背でいる事が普通になると筋肉も弱くなり、力も100%発揮出来ない上に、肩関節の可動域も減少され本来のパフォーマンスの60%~70%しか発揮出来なくなります!

 

どういう事かと言うと筋肉の収縮(伸び縮み)

例えるならば、輪ゴムをおもいっきり引っ張ると 

これ以上伸びないという所で止まりますよね?    図1

 

 

でも図2までしか伸びない状態で無理矢理

1の位置まで引っ張るとどうなりますか?      図2     

輪ゴムは切れますよね?

筋肉の強さ(筋力)で例えると、本来は100kgの

バーベルを持ち上げられる人が何等かの原因で

通常の力の60%しか発揮できない時、つまり60kgの

バーベルしか上げられない時に100kgのバーベルを          60kg

持ち上げさせるとどうなりますか?     

自分の限界を超えているので間違いなく重さに潰されますよね?

姿勢不良(猫背)になるとこの広背筋だけではなく、その他の

筋肉も収縮、強さ共に正常でなくなるので、この様な状態が

起こり、やがて痛みを発症してしまいます。            100kg

 

もし子供さんが姿勢不良を起こしているのであれば、本来の60%~70%の

力しか発揮出来ないという事を子供さん自身に教えてあげて下さい。

そしてお父さん お母さんは、その状態(姿勢不良)でも100%の力を出そうとする

子供さんがいるという事を頭に入れておいて下さい。

60kgの重さしか上げられないのに、100kgの重さを上げる状態です…潰されますよね=故障 

 

姿勢不良はその気になれば“すぐに!”とは言いませんが必ず改善されます。

野球が大好きな子供さんにきちんと話しをしてあげれば、必ず行動に移します。

親子二人三脚で姿勢不良の改善に取り組みましょう!

勿論、トラストでも姿勢不良の改善をお手伝い致します。

 

プロ野球選手がヒーローインタビューでお立ち台に上がった時、

猫背の人がいますか? みんな堂々と胸を張ってインタビューに

答えているはずです…

 

③ストレッチ(肘だけではなく全身のストレッチ)

④肘の可動域、筋力のチェック

この2つに関しては写真や文章でお伝えすると、どうしても正確に

伝わらない事が多々あるので、トラストにお越し頂いた上で直接お伝えしたいと思います。

また、試合後や練習後のアイシング、早期疲労回復の方法、その他疑問や質問のある方はお電話でかまいませんので お気軽にお問い合わせ下さい。

☏:0949-28-9508

  ※但し、施術中の場合は一旦電話を切り、再度こちらからご連絡を致します。

 

当院では土曜 祝日

通常営業しております。

また日曜日は隔週で

営業しておりますので

Trustカレンダーで

ご確認の上、ご予約を

入れて 下さい!

  ℡:0949-28-9508

夜間、休日、緊急時は

携帯090-5944-7432

 

オーナーのブログ
親父トレーナーの独り言

ブログ書いてます!!

ちょっとサボる癖が

ありますが…(笑) 

お時間のある方は

写真をクリック !

JCRA :no756
JCRA :no756